高齢者の性を考える
人の営みとして当たり前のはずの高齢者の性がタブー視されている。高齢者の意識調査の結果がすべて示しています。
40代や50代ならいざ知らず、60代や70代またはそれ以上の年齢になると、人はどうしても、性行為について「もう年だから仕方がない」とあきらめてしまう人が多いです。
周りがそうなので、自分が70代でも性欲があると、自分自身が異常なのではないか、恥ずかしいと考えるようです。そのために無理に性欲を我慢しているというのです。
この風潮は、ある意味では仕方のないことかもしれませんが、若い人や中年層くらいまでの性行為の情報は、ぜっしやテレビにはあふれかえっていますが高齢者向けとなると全くないからです。
高齢者の性行為は実態や、意識調査のデータなどは日本ではほとんど出てこない状態です。これでは、たとえ性行為を行っていたり、性欲を持っていたりしても、「この年で自分は以上なのではないか」と不安に思うのもしょうがないことでしょう。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか?新聞に載っていた記事ですが、産婦人科医が、近隣に住む60歳から95歳までの高齢者2950人を対象に無記名で行った、「高齢者性意識調査」です。
これによると、男性の56%が「勃起することができる」と答えており、性欲に関して言えば、「全くない」と答えたのは、男性で140人、女性で524人でした。
この調査の結果を見ても、高齢者が性欲を抱くことは、決して不自然なことではない、まして、恥ずかしいなどと思うことが不自然だと言えるでしょう。
高齢者の性行為の回数については、もちろん若い頃の様には生きません。どうしても歳を重ねるにつれて、足腰が弱くなり、老化してくるのは避けることができないのです。
生理学的にいっても、性機能の葉タライ気を促すホルモンの分泌が減少してくるのです。
だからと言って、全く性行為が不可能になるということではないのです。
アメリカでの800人に及ぶ60歳以上の高齢者からの聞き取りによると、平均すると1週間に1.4回も性行為をしているという結果が出ているのです。
これらの調査から見ても、もう年だから仕方がないとあきらめる野間、全く根拠のないことだということがわかります。生理学的に見ても性行為をやめてしまう理由は全くないのです。